活用体験記5

■N.T.さん (30代女性・アマチュアスポーツ選手)

長年バドミントンをしている私は、5年程前に半月板を損傷した。再度大きなケガをしない様に、又、少しでも身体とプレイをレベルアップさせるた為に、パーソナルトレーナーの先生に指導を受けている。(*1)

最近、ハイレベルの集団で練習する機会に恵まれた。うれしい反面その練習は非常に気を遣う。他の方よりレベルが低いので、調子の良い時でも大変なのに、ミスが重なったり、打球感が悪かったりすると非常に恥ずかしい。

「自分はここにいていいのか?」とまで思ってしまう。この話を先生にしたところ、「筋肉は伸縮するのみ。あなたのマイナス思考は筋肉の邪魔をしている。それでは折角のトレーニング効果が生かせない」といわれた。確かに筋肉や自分の実力に感情はない。その持っている力を出すのに、心の揺れは邪魔以外の何ものでもない、とのこと。

エムウェーブPCは先生のご好意で練習させて頂いたのだが、最初は全くうまくいかなかった。4秒ずつの呼吸とプラスの思考・・・。これはトレーニングと違って、頑張ることが出来ないので、非常にむずかしい。(*2)

しかし何度か挑戦するうちに、呼吸にかなり意識をおくようにすると段々良い結果が出るようになってきた。例の練習に参加した時もラリーとラリーの間に4秒ずつの呼吸をとり入れたところ、少なくとも筋肉とプレイの邪魔をするような考えは、あまり顔を出さなくなった。

先日試合では、相手にあと2点とられると負けという状態においこまれてしまった。そのとき4秒ずつの呼吸を思い出し、心がけた。自分の得点はなかなかとれなかったが、相手にどんどん入っていた得点はとまり、サービスオーバーをくり返すうちに、少しずつ自分にも点が入りだした。あと1点で追いつくというところで、相手にもう1点入り、マッチポイントを握られてしまったが、もっともっと呼吸に集中した。

結果、私は彼女に追いつき追い越して勝った。試合中「負けるかもしれない」「負けるだろうな」「負けたら見ている人はどう思うだろう」とか色々な考えが頭をよぎったことは確かである。

しかし呼吸に集中する様にしてからは、そのような考えは少しずつ脇へ追いやられ、冷静にコースをねらったり、スマッシュを決めたりしたように思う。ZONE状態には程遠かったがもっとエムウェーブPCを練習して、いつか自分で心のスイッチを押せる様になればいいのにと願っている。(*3)

トレーナーの先生とエムウェーブPCに感謝!

■補足

(*1) このような怪我や持病などを抱えている人にとって、パーソナルトレーナーから個人指導を受けるメリットは大きいです。関節や筋肉などの怪我はとくに、運動前のウォームアップとクールダウンの欠如や不足から悪化するケースが多いものです。パーソナルトレーナーは、バドミントンの専門家ではなくても、きちんとした運動生理学の知識に基づいて、怪我をしない、悪化させないトレーニングを指導できるのです。

(*2) この方が、最初は上手く行かなかったのは、メンタルトレーニングを「頑張ってしまった」からでしょう。そして、スポーツにおける集中は、頑張るものではなく、「意識のおきかた」が重要であること、そして、(彼女にとっては)「呼吸」が大事であると気がついたとき、コヒーレンス状態に近づき、プレイにも良い影響を与えることができたのです。

(*3) 「Zone状態」とは、スポーツ選手がよく好んで使う表現です。平たく言えば「のっている」状態です。周りの雑音は全く気にならないほど集中力が高まっており、バスケットではシュートが次々と決まる、スキーでは思い描いたターンができる、スポーツをしたことがあるひとなら誰しも、このような状態を体験したことはあるのではないでしょうか?

「コヒーレンス状態=Zone状態」とするのには無理がありますが、心臓と脳が安定したリズムで調和しているコヒーレンス状態は、Zone状態に突入するためのステップであることは間違いないでしょう。

そして、「呼吸をしながら心臓を意識すること」が、コヒーレンス状態への「心のスイッチ」になるはずです。

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