イラク派遣兵はどうやって感情的混乱を乗り切ったか?(後半)

イラクに到着してからも、対処しなければならない新しい状況とストレッサーが次から次へと待っていました。

飛行機で着陸してすぐに、私は上官の前で自分の果たすべき役割について報告しなければいけなかったのですが、そのとき、迫撃砲による攻撃を受けたのです。初日だというのに、彼らはそんなに近くにいて、私たちを殺そうとしている。同時に、私は他の士官によって評価されており、全力を尽くさなければならなりませんでした。なんてストレスの多い評価面接なのでしょう。

私が頼れる場所はたった1つでした。私は心臓に意識を向けたのです。コヒーレンス法で、私はその状況を冷静沈着に対処することができました。私にはそれができる、冷静さを保つことができるということを忘れずにいることができたのです。

全ての兵士が、ストレス状況下において、私が準備できていたのと同じくらいでいればいいなと思います。ハートマスのおかげで、私は自分の精神を失わずにイラクから戻ることができました。ハートマスは、イラクで使用した最大の武器であり、アメリカに持ち帰り、引き続き使っている唯一の武器なのです。

イラクから帰還後、戦争について、みんながどのように考えているか、「私に話をしたがっている」ようでした。私にしてみれば、自分の尊厳を失わないよう、できる限りのことをしていただけで、私が今願うのは、仲間の全てが、無事に生きて戻ってくることです。私はまだイラクにいる兵士たちのことを気がかりですが、できることは限られているので、彼らにハート(こころ)を送っています。私が国に戻ることができた理由は、他の誰かが、私の仕事を引き継いだからです。だから、私は彼にたくさんの感謝を送っています(*1)。

あなたは帰国することは、赴任するのに比べると、簡単なほうだと思われるかもしれませんが、それはそれで多くのストレッサーがあるのです。ハートマスは、母国での生活、帰国によるカルチャーショックに再適合できるように大いに役立ちました。家族や恋人など誰もが、私に特別の時間を望んでいるように感じ、その要求に圧倒されそうになりましたが、ハートマスが、感謝やいたわりをもって彼らとコミュニケーションをとることを可能にしてくれたのです。

本物の戦場においてハートマスを実践してきましたが、今では法廷での闘いにおいて、いつも使っています。つい最近の話ですが、ある酷い性的暴行事件の被害者と目撃者とともに宣誓証言をしなければなりませんでした。法廷に近づくにつれ、ストレスが私の中に入ってくるのを感じたのです。私はコヒーレンス法を実施しました。これによって、私の彼女たちへのいたわりがきちんと伝わり、宣誓証言も非常にスムーズにいきました。ハートマスは、些細なことを解放する力を与えてくれる見方を私の人生にもたらし、私が本当に集中しなければいけないことに集中することを可能にしてくれたのです。

ハートマスに出会ってからの、この2年間での人生経験では、生活上のほんの些細なできごとにおいて、より多くの感謝の気持ちが残るようになりました。私の人生は今ではずっとシンプルです。仕事に行くこと、家族や恋人と一緒にいること、庭でハーブやトマトや大豆を栽培すること、浜辺まで犬を散歩に連れて行くこと、といったようなこともありがたく思えるのです(*2)。

多くの人が極度のストレスフルな状況に晒されており、私も特別ではありません。ただ、私は、ハートマスという、ストレスに対処するためのゲームプランを持っていただけなのです。そして、私が思うのは、同じようにハートマスを実践することによって、誰もがずっとよくなれるだろうということです。

(*1)
コヒーレンス技法の応用として、第三者に対する「感謝」「いたわり」などの共感的感情を、ただ想起するだけでなく、その人に送るように想起する、というテクニックがあります。ここではそれを意味していて、自分の代わりになってくれた仲間に「感謝」を送っているのです。

(*2)
多くのエムウェーブ利用者にとって、これと同じ経験が本当に起こることに疑問はないはずです。
■補足

アフガニスタンやイラクに派兵された兵士たちのストレス・PTSD対策は、アメリカ軍や退役軍人省における大きな課題になっており、数年前から、陸軍・海軍・空軍の各拠点、軍人病院、退役軍人病院において、エムウェーブが使われています。

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私たちの病院のプログラムでは、イラクやアフガニスタンから帰還した兵士たちに、エムウェーブを使っています。そして、不安や過度の覚醒を劇的に軽減させ、感情制御と幸福感覚のレベルが有意に向上することが分かっています。ほとんど例外なく、エムウェーブによるメンタルトレーニングを受ける機会を持った退役軍人は、この独特のトレーニングから多くの利益を得たと感じているようです。

リック・セリグ博士 州認定臨床ソーシャルワーカー
退役軍人イースタンカンザス病院
アフガニスタン・イラク作戦/帰還兵適応プログラムコーディネーター

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