米国ゴルフダイジェスト誌に掲載されたエムウェーブ活用法

米国ゴルフダイジェスト誌に掲載されたハートマス活用法(前半)

米国ゴルフダイジェスト誌が、ゴルフに変革をもたらしているテクノロジーや人物を紹介する特集を連載し、その中で、ハートマスを上手に活用しているゴルフプロとそのメソッドが取り上げられました。

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感情をコントロールする秘訣は、長年、ゴルフ界における最大の神秘でした。大多数のゴルファーは、恐れ、怒り、いらいらがもたらす協調性の破壊、頭の中の空洞化によって、何度も何度も打ちのめされていることを経験しています。選ばれた極小数の人々、つまりチャンピオンだけが、なんとか道を切り開いてきたのです。

しかし、「どうやって?」という質問を受けたとき、大半のチャンピオンですら、肩をすくめながら、使い古された常套句で答えてきました。それは「ハートです」と。最近になって、本当に心臓(ハート)こそが、感情をコントロールするための秘訣であるかもしれないことがわかってきました。

カリフォルニア州サンタクルーズ郡を本拠とする研究機関であるハートマス研究所によると、異なった感情は異なった心拍リズムを生み出します。そして、心臓が独自のメッセージを脳に送り返すのです。これらのメッセージが、脳が体に何をすべきかを伝えることを決定します。つまり、最大のパフォーマンスを発揮するのか、息苦しくなってしまうのかを決めるのです。

過去15年においてハートマスは、法曹界、ヘルスケア、軍隊などのプレッシャーの多い業種の専門家たちに、増幅された不安やストレス感情によってもたらされる破壊的で不規則な心拍リズムから、愛情や感謝などの肯定感情によってもたらされるスムーズで規則的な心拍リズムに変容させる方法と能力を与えてきました。規則的な心拍リズムは、最大パフォーマンスに求められる穏やかさ、明晰性、協調性といったものを作り出すのです。ゴルフはこれまでも「メンタル・ゲーム」と呼ばれていますが、ハートマスの哲学が主張するところによると、最初の反応は「心臓(ハート)」で起こるのであって、「頭」ではないのです。ハートマスの標語を借りると「心臓の変化が全てを変える!」。

ゴルフ界におけるハートマスの最も影響力のある提唱者は、ぺブルビーチゴルフ(*1)教室の責任者であり、2003年PGA年間最優秀コーチでもあるレアド・スモールです。スモールは、これまで5年にわたって、PGAツアー選手であるカーク・トリプレットから、(ゴルフの聖地とも呼ばれる)カリフォルニアのモントレー半島でゴルフに開眼したいと考えてやってくる企業経営者(CEO)まで、ハートマスを使って指導をしています。

スモールはこう言っています。「ほとんど全てのゴルファーは、感情的に自分の道を塞いでしまいます。ハートマスが優れているのは、感情がどのようにパフォーマンスに影響を及ぼすのかを表示してくれることです。そして、最も大切なことは、その場その瞬間に、破壊的感情から生産的感情に変容させるための方法を与えてくれることなのです」。

「刺激と反応の間には、時間的なラグがあります。ハートマスは、そのラグを広げ、全てをゆっくりとさせるのです。そうすることで、ゴルファーはより良い決断をすることができるようになります。ゴルファーにとってまず大切なことは、否定的感情が自分自身に影響を及ぼしていることを「認識」することです。そしてそれから、それをどう再構築するかについて取り組まなければなりません」。

「同時に2つの感情を持つことはできないのです。ですから、もし選手が、恐怖を、感謝といった生産的な感情に置き換えることができたならば、成果を発揮するためにより良い状態になったと言えるのです」。

ハートマスが提唱するコヒーレンス法を実践すれば、それが可能になります。コヒーレンス法では、まず「みぞおち」の辺りに意識を向けることから始めます。そして、心臓のあたりをとおって空気が流れるのをイメージしながら、ゆっくりと5秒間隔で呼吸を行います。心臓を意識した呼吸を続けながら、感謝・いたわり・共感といった肯定的感情や態度を呼び起こします。ハートマスの研究によると、これらのプロセスによって、最大限の成果を発揮するに理想的な脳の状態をもたらす一貫した心拍リズムを生み出すのです。

バンカー越えのロブショットを打たなければならない、そんな「恐ろしい」ゴルフコースでの出来事を例にとってみましょう。心臓を通った呼吸をイメージしながら、共感や肯定といったものを想起することによって、不安を押し出すのです。例えば、調子のでない同伴競技者への思いやりの気持ちや、そのような挑戦的な状況にめぐり合ったことへの感謝の気持ちなどです(*2)。もし、感情を変容することができれば、心拍リズムを落ち着かせ、心臓が脳により良いメッセージを送り、ショットを実行するための障害を取り除くことになるのです。

これらのプロセスを視覚化し、数値化することを可能にしたのが、リアルタイムで心拍リズムを測定するハートマスの装置です。たった60グラムほどのエムウェーブ/ストレス軽減デバイスは、ダイオードによるLED表示が、低コヒーレンス(赤)、中コヒーレンス(青)、高コヒーレンス(緑)のいずれの状態にいるかを教えてくれます。PCソフトウェアであるフリーズフレーマーは、指先か耳たぶに装着するセンサーによって、コヒーレンス状態をリアルタイムで表示します。これらのテクノロジーの目的は、心拍リズムを表示し、高コヒーレンスを達成することで、利用者がストレスを軽減できるようになることです。もちろん、エムウェーブもフリーズフレーマーも、トーナメントの最中には使うことができないけれども、スモールの生徒たちはしばしば練習中に活用しています。

(*1)
かのジャック・ニクラウスが、「もし生涯であと1度だけプレーできるとしたら、どこでプレーしたいですか?」と質問されたときに、ここの名前を出したほど、ぺブルビーチは、全米屈指のゴルフ場です。パブリックなので、お金を支払えば誰でもプレーできますが(ただし1泊2ラウンドで30万円ほど)、予約は1年先まで埋まっているといった状況がずっと続いているそうです。
http://www.pebblebeach.com/

(*2)
コース上で、どのような肯定感情を想起して、否定感情を「潰す」かについて、なかなかこの文章だけではぴんと来ない方も多いと思います。次号でも取り上げますが、例えば、「今日はなんて良い天気なんだろう」とか、「こんな仲間とゴルフができて幸せだ」「さっきは今日イチだった」といったシンプルなもので十分です。ただ、大切で難しいのは、「考えること」ではなく、「感じること」。コース上でいきなりやろうと思ってもできないことが多く、これを乗り越えるには、繰り返しの練習しかありません。

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