ストレスと感情の科学

シカゴ・コンシャス・チョイス誌に、エムウェーブの科学的背景がわかりやすく理解できる記事が掲載されていたので紹介します。

一般向けの記事とはいえ、認知神経学の博士号をもつライターに書かれたもので、最新の「心臓/脳」研究に関する論文もふまえた本格的なものです。

by ジュリア・モスブリッジ

私たちのほとんどが、感情というものは、脳で始まって、それに見合った身体変化を引き起こす、というように学んできました。脳が幸せかどうかを決め、脳の神経細胞が発火し、顔面の筋肉に笑うためのシグナルを送るとするのが、これまでの伝統的な見解です。脳があなたは悲しむべきだと考えると、別の神経細胞が涙腺を開くのです。

脳に始まって、身体の変化に終わる、この一方通行のコミュニケーションは、全体の話の半分に過ぎないということを、最近の科学的証拠は示唆しています。身体の変化が脳の変化に繋がるということがわかってきたのです。例えば、こんな話を聞いたことあるでしょう。笑いたいと思わないときにでも、笑い顔を作ってみるだけで、実際により幸せを感じたりするのです。それはまるで、笑い顔と幸福感は、本質的に一緒であるべきで、身体の変化は、感情の原因であるとか、感情の結果である、ということに、脳はそれほどこだわっていないようです。

事実、近代心理学の父とも呼ばれる心理学者ウィリアム・ジェームス(1842-1910)は、感情というものは、認知的な計算(私は怖い、だから心臓がドキドキする)によってではなく、身体的な変化(心臓がドキドキしている、だから私は怖いに違いない)によって、主に決定されると主張しました。この考え方によれば、ある感情に陥ってしかるべき状況に置かれたとしても、非自発的な身体反応を制御できるようになることで、傷ついたり、怒ったり、ストレスや欲求不満を感じたりすることを避けることができることになります。

私はこれまでウィリアム・ジェームスを信奉してきたし、彼の直観をいつも尊敬してきました。でも彼が正しいとしても、ヨガ修行者やチベット僧でもない人間が、非自発的な身体的変化をコントロールできるようになるのでしょうか?

その解決策の1つが、利用者が、均質でリズミカルな心拍の訓練ができるように開発されたバイオフィードバックです。バイオフィードバックは、これまでもそのような目的で使われてきましたが、最近、技術的進歩により、また最近の心拍リズムが気分や免疫系、ストレスレベル、認知機能に影響する心拍リズムの役割に関する最新の発見に基づいた形で、再度注目されてきています。最も実証的検討を受けている心臓バイオフィードバック技術が、ハートマス財団によって開発されたエムウェーブです。

私がハートマス財団の人たちを尊敬してやまない理由は、彼らの研究成果からの利益を得るために、実際にエムウェーブを買う必要がないことです。単純で、ローテクなハートマス技法を使えばよいのです。ハートマス技法は、あなたに、心臓周辺を意識して、誰かに対する肯定感情を思い出すように依頼します。結果として、脳→身体→脳というコミュニケーションサークルを作り出すのです。つまり、最初に「脳」(心臓を意識して肯定感情を想起する)が働き、それが「身体」(より規則的な心拍リズムを作り出す)に影響を与え、そして再度「脳」(気分と認知機能が改善する)に戻るのです。

ハートマス財団が強く勧めている脳機能に与える心臓の影響は、バロー神経学研究所(フェニックス市)の神経解剖学者バド・クレイグ博士の研究とも一貫しています。バロー神経学研究所は、ハートマス財団とは無関係の施設です。「認知科学のトレンド」誌に掲載された彼の最新の論文によると、心臓の右側と左側は、脳の右側と左側にそれぞれ異なった情報を送っていることを示唆しています。そして、感情制御と自己認識が関わっているとされる左右の前頭葉が、心臓からの情報を受け取っているのです。

クレイグ博士と、その他大勢の研究者が集めた証拠からは、右前頭葉は、「戦うか逃げるか」もしくは「ストレス反応」を作り出すことに関わっています。そして左前頭葉は、喜びのような友好的な経験を作り出すことに関わっているのです。クレイグ博士は、ハートマス技法は、彼の研究成果を応用できるものだと述べています。

今度のバレンタインデーには、みんなで、この新しい、人生を変えるハートマスの方法で、心臓に意識をあててみませんか?

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